【所得税確定申告編-2 所有期間が10年を超える自宅を売却した場合の税金は、安くなる!】
<事例>
Aさんは、30年前に自己が所有する山の手の住宅街にある土地に建築した建物を第三者
に賃貸していましたが、7年前から自宅として利用していました。
しかし、山の手にある自宅での日常生活は不便を感じるようになったので、
駅前のマンションへの引っ越しを考えるようになりました。
自宅は、7000万円で売却できるようです。30年前の自宅土地建物の取得費は2000万円だった
ため売却益が5000万円となります。 少しでも税金を少なくしたいので、買換え特例の適用を
検討しています。 Aさんは、買換え特例は適用できますか?
<解説>
Aさんの場合、本人の居住期間が10年以上ではないため「買換え特例」の適用はできません。
まず、買換え特例ですが平成24年度税制改正大綱18ページで適用期限が
2年延長される旨が記載されています。
買換え特例の適用要件については、下記URLの私のコラムでご確認ください
http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/column/24228/
Aさんのように、本人の居住期間が10年以上でない場合でも適用できる
特例が2つあります。
1つ目の特例は、3000万円の特別控除です。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3302.htm
この制度は、本人の居住期間の長短に全く影響されません。
適用要件の詳細は、以下のとおりです
(1) 自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。
なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
(2) 売った年の前年及び前々年にこの特例又はマイホームの買換えやマイホームの交換の特例若しくは、
マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。
(3) 売った家屋や敷地について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。
(4) 災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
(5) 住んでいた家屋又は住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の二つの要件すべてに当てはまること。
イ その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から
3年目の年の12月31日までに売ること。
ロ 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。
(6) 売手と買手の関係が、親子や夫婦など特別な間柄でないこと。
特別な間柄には、このほか生計を一にする親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。
2つ目の特例は、マイホームを売却した場合の軽減税率の特例です
http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3305.htm
(1) 日本国内にある自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地を売ること。
なお、以前に住んでいた家屋や敷地の場合には、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
また、これらの家屋が災害により滅失した場合には、その敷地を住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
(2) 売った年の1月1日において売った家屋や敷地の所有期間がともに10年を超えていること。
(3) 売った年の前年及び前々年にこの特例を受けていないこと。
(4) 売った家屋や敷地についてマイホームの買換えや交換の特例など他の特例を受けていないこと。
ただし、マイホームを売ったときの3,000万円の特別控除の特例と軽減税率の特例は、重ねて受けることができます。
(5) 売り手と買い手の関係が、親子や夫婦など特別な間柄でないこと。
特別な間柄には、このほか、生計を一にする親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。
では、上記の特例を適用した場合のAさんの税金を計算してみましょう
(7000万円-2000万円)-3000万円=2000万円←課税対象となる長期譲渡所得金額です
所得税 2000万円×10%=200万円
住民税 2000万円×4%=80万円 合計で税金の総額は280万円です
この記事以外にも、下記URLのマイベストプロ神戸に私のコラムの
書込みをしていますのでご覧ください
http://mbp-kobe.com/kobe-souzoku/column/