前回の、連帯債務に続き今回も債務控除の話題です。
今回は、保証債務の債務控除です。
保証債務は、一般的には債務控除の対象になりません。
債務控除の要件として、『確実と認められる』債務でなければならない
からです。
(根拠条文:相続税法第14条)『前条の規定によりその金額を控除すべき
債務は、確実と認められるものに限る。』
しかし、例外的に保証債務でも債務控除の対象になる場合があります。
(根拠条文:相続税基本通達14-3(1)但書『ただし、主たる債務者が
弁済不能の状態にあるため、保証債務者がその債務を履行しなければ
ならない場合で、かつ、主たる債務者に求償して返還を受ける見込みが
ない場合には、主たる債務者が弁済不能の部分の金額は、当該保証
債務者の債務として控除すること。』
では、上記要件に該当するような事例としてはどのような
場合が該当するでしょうか
例えば、
被相続人甲氏は同族会社乙(株)の代表取締役社長で
乙(株)の銀行借入の連帯保証人になっています。
乙(株)は、数年前から業績が急速に悪化し銀行借入のここ数年
返済が滞っています。本業の業績不振で、債務超過の状態が
数年続いています。 乙(株)は、現在では実質的には休眠状態と
なっており、乙(株)が資金調達を行い銀行借入金を返済できる
見込みはないと考えられます。
このような、状態であれば被相続人の甲氏について
乙(株)の保証債務を債務控除できると考えられます
仮に、乙(株)の連帯保証人が複数人いる場合には
連帯保証人間で特に定めていない場合には、
債務控除できる金額は、連帯保証人の人数で均等に
割った金額となります
(民法第427条)
『数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示
がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で
権利を有し、又は義務を負う。』
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